田中学習会は、おかげさまで24年目の新年度生を迎えさせていただきました。昭和60年4月に広島市安佐北区高陽町倉掛で3名の生徒とスタート致しましたが、まずは何と申しましても卒塾生の皆さん、そして保護者・地域の皆様の格別のご理解を賜り、現在広島市・廿日市市・安芸郡・東広島市・呉市に34教場、6,000名近くの生徒をお預かりし、共に歩ませていただいております。その生徒達ですが、例えば中3塾生約1,000名が集まるテスト会では、けじめある速やかな整列や明るい挨拶、表彰式での暖かい拍手を見せてくれ、田中の塾生が受験に向けての学習を通して健全に切磋琢磨しているのを強く感じさせてくれます。私はそれをとてもうれしく誇りに思わせていただいております。本当にありがたく、感謝御礼申し上げます。
また近年とてもうれしいことは、街のいろいろなところで現塾生や卒塾生が声をかけてくれること、教え子が社会人として活躍しているのに触れたりホームページからメールで近況報告をくれること、また弊社の社員となり私以上の熱血講師をしてこの仕事のやり甲斐や感動を通して成長してくれていること、そして教え子のお子さんたちが当時の彼ら彼女らとよく似た顔で田中の門を叩いてくれることなど、塾人としてこの上ない幸せを感じさせていただいております。
そして24回目の新年度を迎え、子供達に2つのことを願っています。
1つ目は、学び取っていくカー「学習力」を身に付けていって欲しいということです。昨今のように価値観が多様化し、経済・文化・制度・環境など社会全体も大きく変化している中では、新しい事象に対してたおやかに対応していく力が要求されます。特に現代の情報社会においては、次々と洪水のように押し寄せてくる情報を取捨選択・処理し、必要な新しい知識を身に付けていくことが重要となります。これまでの学歴社会では、どこの学校を卒業したかに重きをおいていましたが、これからは、その学校を卒業するまでに、新しい知識・情報を学び取り、身に付けるといった「学習力」が、どれだけ培われているかが問われるようになります。「やるぞ」と自らが動機付けを行うことも、直面する問題を工夫し解決していくことも、辛抱し継続していくことも、素直な気持ちで前向きに良心に従って進んでいくことも、その「学習力」の大切な要素です。子どもたちが塾での学習や受験を通して、将来に必ずや必要とされるであろうその「学習力」を向上させていって欲しいと願っています。
2つ目は、学習を通して心の成長、魂の成長を遂げて欲しいということです。
学校では評価が「相対評価」から「絶対評価」に変わり話題になりました。「相対評価」は全体での自分のポジションがわかるもので、まわりのライバルと比べてどうかとか、誰かが良い評価を取れば誰かの評価が悪くなるといったマイナスのイメージも伴っていますが、受験など合格定員が決まっているものに関してはとても重要で公平な評価方法です。一方、「絶対評価」はまわりとの比較ではありませんから、自分の到達度に対する評価となります。子どもたちには是非まわりとの比較ではない心底からの大きな夢を持ってもらい、そしてそこへ到達するまでの小さな目標を設定し、もちろん途中の「相対評価」は目標の目安や発奮材料にしながらも、一人ひとりがそれぞれのその絶対的な目標に向かって歩んで欲しいと思います。その目標は一人ひとりで異なるものでしょうし、進むスピードや難易度も違うと思います。しかし、もっとも大切なことは、歩む過程で辛抱し努力し、心・魂を成長させることではないかということです。偏差値や順位など相対的なものさしは目標の目安でしかなく、ライバルがいるとすればただひとり「過去の自分」だけです。子どもたちには塾での学習を通して学力を伸ばすだけでなく、一日一日を大切にし精一杯生きる中で、心・魂も一歩一歩成長させていって欲しいと思います。
一般的に大人は子どもたちを、通っている学校名やその学校の入試難易度で価値を計るようなところがあります。そして広島はその傾向が幾分強いようにも感じています。確かに志望校は子どもたちの目標としてとても大切な存在ですし、偏差値も自分の学力を測る上では重要なものさしです。しかし、たくさんの色々な子どもたちに触れさせていただいた上で痛感するのですが、大切なことは結果としてどこに合格したかということより、その結果にたどり着くまでに一人ひとりがどれだけ成長できたかということだと思います。「分からないことが分かるようになる」から始まり、「よくあきらめていたのが辛抱し継続できるようになる」「自分のことで精一杯だったのが感謝の気持ちを持って他者を思いやれるようになる」といったことです。田中学習会の生徒は勉強が得意不得意に関わらず、生徒同士が一人ひとりを尊重し励まし合いながら健全に成長してくれていると思っています。そしてその生徒たちが何十年か後、今度は大人として子どもたちを学校名だけで見るのではなく、一人ひとりの歩みを暖かく見守ってくれるようになれば、広島ももっともっと子どもたちに優しく暖かい街にできるのではないか、というほのかな夢も持っています。
今後も私ども田中学習会は、子どもたちを得点や着ている制服だけで評価することなく、そこにたどり着くまでの確かな成長を見守っていきたいと思っております。