
2011年の春、東日本で大変悲しい出来事がありました。東日本大震災で亡くなられた方へ、心よりお悔やみ申し上げますとともに、被害にあわれた皆さまへ、謹んでお見舞い申し上げます。
この震災で、皆さんはどんなことを思われたでしょうか。悲しみや不安、憤り、時には自分の無力さも感じたことでしょう。このような危機的な状況においても、私たちがすぐ出来ることは、募金や節電ぐらいかもしれません。私たち一人一人の力はとてもちっぽけで、「勉強したって・・・・・・」「何のために勉強するんだろう?」と思われた方もいることでしょう。
しかし、資源に恵まれていない日本が、現在のような豊かな国になれた理由をもう一度考えてみてください。日本の一番の資源は、一人一人の人間力です。誰かの力ではなく、私たちのお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんといったみんなの力が、今の日本を築いてきたのです。今回の災害でも、日本人の規律の正しさ、モラルの高さ、我慢強さは、世界から賞賛されました。国家的危機においても、日本人の心や人間力は、決して失われていません。「勉強」というと「合否」のためと思われがちですが、それだけではないのです。努力の過程で培われる強い心、切磋琢磨しながらも仲間を思いやる優しい心、苦しいときでも周囲を笑顔にする前向きな心など、学習を通して学んで欲しいことがたくさんあります。受験を受験で終わらせずに、明日の日本を支える大人になる、そのきっかけにして欲しいと思います。
私たちは、これから長い時間をかけて、新しくよりよい日本を創っていかなければなりません。田中学習会の生徒一人一人が、この国が前に進んでいく大きな力になると信じています。中には目覚ましく活躍する人も出てくると思いますが、それだけでなく、何かの仕事や分野で努力を積み重ねることも、間接的に人々へ幸せをもたらすということを覚えておいてください。生徒の皆さんがやるべきことは学習ですが、長い目で見たときに一人一人の努力は、岡山・広島だけでなく東北にも、そして世界にも届き、誰かを幸せに出来るのです。
昭和60年4月に広島市安佐北区高陽町倉掛で3名の生徒とスタートした田中学習会は、四半世紀を超え、現在、広島市・廿日市市・安芸郡・東広島市・呉市・福山市・府中市の44教場で、約8,000名の生徒をお預かりする学習の場となりました。田中学習会の生徒は、勉強の得意・不得意にかかわらずお互いを尊重し励まし合い、人間力を育みながら成長しています。私は、子どもたちを学校名や得点といった結果だけで評価するのではなく、そこにたどり着くまでの一人一人の成長を見守っていけば、子どもたちにはもちろん、すべての人にもっと優しい日本になるのではないかという、ほのかな夢を持っています。
子どもたちには、人の幸せを自分の喜びと感じられるような大人になってほしいと願っています。田中学習会の卒業生達が、将来、この日本の豊かさや幸せを支える力になることを楽しみにしています。
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