学習力が向上する要因
学習とよばれる行動は、学校・塾での勉強に限らず、あらゆる生活場面において認められますが、ここでは、学習について次のように定義しましょう。「学習とは、なんらかの課題問題について練習・経験することによる、比較的持続する行動である。」つまり学習とは持続的行動ですから、その力(学習力)を成績という瞬間の事象で完全に評価することはできません。重要なことは、成績だけで生徒を評価していたのでは、学習力は充分に伸ばせないということです。そこで、学習力の要素を分析し、学習力向上のメカニズムについて考えてみましょう。

学習するための技能的な力…理解力、思考力、応用力、記憶力、読解力、計算力などの基本的な力のことですが、この能力において、潜在的な力をすべて発揮してしまっていることはまずあり得ません。つまり、ここで重要なことは、努力すればできるようになる部分をどこまで開花できるかということです。これらの能力開花のポイントは、以下のようなことです。
生徒がその気にならなければ学習は行えないことから、頑張ったからできたということを実感として体験していかなければなりません。
学習を行い好結果が出たので、また努力していくだけではなく、なかなかうまくいかないが、なお頑張ってみるという厳しさも必要です。このような行動を支えるには、本人の性格だけではなく「自分にはこれが大切だから少々のことでは諦めない」という心の納得が欠かせません。
これは習慣として身につけたいことです。自分なりに手順を立て、見通しを持って勉強し、その成果を評価できなければなりません。また、それに基づいて計画を変更したり、自分を励ましたりということも必要です。

学習意欲を高めるプロセスは、まず知的好奇心を呼び起こすことによる「行動の喚起」に始まり、学習の対象を設定する「目標への方向づけ」、短期的目標の設定と競争による「行動の強化」へと進んでいきます。このプロセスを学習への「動機付け」と呼んでいます。

まずは学習への意欲を起こすことが大切ですが、効果的な学習を持続するためには、『適度な動機づけ』の水準を保つ必要があります。動機づけがあまりにも高すぎると、緊張し情動的になり柔軟な思考や判断力が失われるばかりか、時には学習そのものに挫折してしまいます。例えば、単純な計算問題であれば、所要時間を測定したり競争させることによって、学習意欲を向上させることができますが、困難な応用問題の場合には逆効果となり、かえって学習意欲を劣らせる恐れがあります。このことから学習の対象(何を学習するか)および学習対象のレベル設定が重要であることがわかります。
学習効果を伸ばす要素としては、次の3つがあげられます。
これらのことが高い学習効果に結びつくことは明白です。同時にこれらの要素は、学習力を向上させるばかりか、健全な人間に育つため必要とされるものです。成績の向上、生活習慣、学習の姿勢の間には、切っても切れない関係があるといえます。逆に、生活習慣や学習姿勢が良い状態にならなければ学習力の向上は望めないと考えられます。以下に、理想的な生活習慣、学習の姿勢をまとめておきます。
